画面のその向こうに何があるか という事をいつも考えながら制作しています。そこは理想郷のような世界かもしれないし狂気の世界かもしれません。画面と向き合う時私たちの肉体はその前に立ち止まり意識だけがその中へ入っていってゆくような感覚を大事にしています。
油彩や刺繍という方法で画面を丹念に作り込んだりまたは大事なところを隠したり、歪ませたり、大きく壊したりして、それらを繰り返して仕上げていきます。壊す事によって空間や時限にゆがみが生まれ、目に見えない何かに向かって想像力が動き出し、同時に物質そのものが傑出され奥行きのある空間が生まれます。
画面の中に見えているものは私たちの生きる生き物の世界でしょうか。あるいはその向こうの目には見えない魂の世界かもしれないし、あるいはその手前にある絵具や糸などの物質そのものかもしれません。同一視できるものとそうでないものとが画面の中で同時に存在することで自己そのものに出会えるような作品を作っていきたいです。(佐藤香菜)
佐藤 香菜 / SATO Kana
1982年 愛知県生まれ
2007年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術学科絵画専攻 卒業/ 現在 名古屋市在住
賞歴
2008年 シェル美術賞展 本江邦夫審査員賞・受賞
2010年 トーキョーワンダーウォール公募2010・入選
2013年 VOCA展2014 大原美術館賞受賞・受賞
主な個展
2008年 「物語の生まれる場所」(GALLERY IDF・名古屋)
2009年 「始まりの予感」(GALLERY IDF・名古屋)
2010年 「神様の時間」(GALLERY IDF・名古屋)
2011年 「サンクチュアリ」(GALLERY IDF・名古屋)
2012年 「月を読む」(GALLERY IDF・名古屋)
2013年 「森の中へ」 APMoAプロジェクト・アーチ(愛知県美術館・名古屋)
2014年 「寝待月」(GALLERY IDF・名古屋)
2015年 「夜想曲」(GALLERY IDF・名古屋)
2016年 「透明な境界線」(第一生命ギャラリー・東京)
2016年 「その、境界線の向こう」(GALLERY IDF・名古屋)
2017年 「想像は夢をこえて」(GALLERY IDF・名古屋)
2021年 「美しいものを探す旅」(GALLERY IDF・名古屋)
2023年 「循環する時間」(GALLERY IDF・名古屋)
2024年 「resonance 共鳴」(WADA GAROU TOKYO Lab.・東京)8/30~9/21 開催予定
主なグループ展
2009年 Dアートフェスティバル(ダイテックサカエ・名古屋)
2010年 TASTING ART EXHIBITION(阪急百貨店メンズ館・大阪)
2010年 あいちアートの森(東陽倉庫テナントビル・名古屋)
2010年 文化体験プログラム展(安曇野市豊科近代美術館・長野)
2013年 シェル美術賞展 アーティストセレクション(国立新美術館・東京)
2014年 現代美術の展望「VOCA展2014-新しい平面の作家たち-」(上野の森美術館・東京)
2016年 VOCA 大原美術館賞の10年(大原美術館分館・岡山)
収蔵
大原美術館(岡山) / 愛知県美術館(愛知)
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