you can’t tune in, but it’s all right. That is, I think, it’s not too bad.
多くの人が写真は撮影者の被写体に対する感動、想いを被写体の一番美しい形、色、表情をカメラで刻み込む芸術だと信じていますが、自分にとっての写真は被写体の中の美を汲み取り、刻み出す行為と言うよりは、自分の中の感情、感動、メランコリー、センチメンタルを被写体の中に見つけ出し共鳴し、共有、反映する事です。だから自分にとっての写真とは被写体を追っているのではなく自分自身を探しているわけです。そこには理屈だけのコンセプトもメッセージも政治的、社会的なイデオロギーもありません、ただそこにあるのは「昨日までの自分、今日の自分、これからの自分」のreflection(反映)です。「見て、観て、観察して、初めて自分が見えてくる。どれだけ観察しても外界の真実など、写真で捉える事なんてできない、いつでも写し出されるのは自分です」この言葉は恩師が自分にかけてくれた言葉です。ここに写真の真実があり、今の自分があると思っています。つまり写真とは等身大の裸の自分の自己紹介であり、恥ずかしくもあり、図々しくもある行為なのです。そんな裸の自分をほんの少しだけ鑑賞者と共有できたら幸いと思い今日もカメラのシャターをクイックしています。(加藤慎一)
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加藤 慎一 / KATO Shinichi
1963年 名古屋市生まれ
1986年 名古屋商科大学 商学部 経済学科 卒業
1986年 アメリカ カンザス州 Ottawa University心理学科 入学
1989年 アメリカ ニューヨーク州 New York University大学院 StudioArt/Photography学科 編入
同校在学中より、フリーランスで写真の仕事を始める
1992年 アメリカ ニューヨーク州 New York University大学院 StudioArt/Photography学科 卒業
2016年 スタジオ067をopen
現在、名古屋市在住
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